ハンバーガー店が大規模用地を確保できるメリット
マクドナルドにとっては、トイザらスとの提携にはメリットがあった。単独では手が出なかった1万6000~2万平方メートルの大規模用地の開発・活用ができるようになった。
ハンバーガー店には大きすぎるため捨ててきた物件も、トイザラスと共同なら使えるようになった。その結果として、ファーストフードチェーンの立地余地が大きく広がった。
地元自治体と話し合い
用地について当初、マクドナルドは東京、大阪、名古屋など十数カ所に候補地を確保した。地元自治体などとの話し合いも始めた。
トイザラスが原則とする郊外型立地になるとは限らず、都心型店も検討した。
1991年12月、茨城県阿見町に1号店となる荒川沖店をオープンした。
日本のマック20周年
玩具店と同じ敷地内にマクドナルド店を開いた。子供を中心とする客層が同じだけに、集客の相乗効果も期待できた。
販売面でもタイアップする計画だった。おもちゃとハンバーガーで共同のセールスプロモーションを展開することも考えた。
1991年に日本マクドナルドが20周年を迎えた。トイザラス1号店にマクドナルド800号店を併設する形で同時オープンする計画だった。
トイザラスは日本で最低100店は出店する計画だった。マクドナルド店の大幅拡大につながると予想された。
日本マクドナルドの藤田田社長のコメント
「20年近くの店舗開発の過程で、マクドナルドの店舗用地としては大きすぎるから捨ててきた物件がいくつもある。それらを含めて、何百、何千という土地のリストを持っている。トイザラスは、いわば“土地の図書館”を手に入れたようなものだ。借りられるかどうかは分からないが、候補地はいくらでもある。うまくいけば200店舗も夢ではない」
「1万6000平方メートルの土地は難しい」
「トイザらスの出店には、原則からいえば約4000平方メートルの店舗のほかに、1万2000平方メートルの駐車場が必要だ。しかし、東京に1万6000平方メートルの遊んでいる土地はないだろう。仮にあったとしても地価が高すぎて立地は難しいと思う。だから、かなり原則から離れた、変形した店舗を考えなければならないと思う。ただ、それを米国のトイザラス本社が受け入れるかどうかは分からない。実際、マクドナルドの一号店を東京・銀座に出す時も、アメリカの本社は郊外店が原則だといって一年間抵抗したほどだ」
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